我が国では古代から天神地祇を祀る祭祀が続けられてきましたが、これは奈良時代成立の令の記述をもとに行われています。
今回は神祇令と神祇令記載の恒例祭祀についてお話していきます。
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神祇令とは日本独自の古代の祭祀についての規定
神祇令とは古代の祭祀について定めたものを言います。
古代の我が国では政治と祭祀は一体のものであるとされており、律令のうち令の部分には祭祀について記述がされています。
律令は唐を参考にして取り入れられたものですが、古代中国には神祇令にあたる記述はなくこれは我が国固有の規定であるとされています。
神祇令の内容を現在に伝えるのは養老令の注釈書「令義解」だけ
最古の令と言われている近江令やそれに次ぐ飛鳥浄御原令にも祭祀についての部分はあったとされていますが、神祇令として現存しているのは大宝令の流れを汲んで成立した養老令だけです。
ちなみに養老令がそのまま現存しているのではなく養老令の注釈書である令義解が現存しており、ここから神祇に関する記述を確認することができます。令義解は天長10年(833年)成立の公的注釈書で遣唐使や法律家のためにつくられており、本文に解説を加えた形式で記述されています。
【恒例祭祀一覧】養老令の内容を一部引用・書き下して紹介
それぞれの祭祀の内容については各ページをご覧ください
以上が神祇令の説明と一覧です。
日本の古代史を学ぶことと神道を学ぶことは不可分です。これまでにみなさんが学んできた律令というものは祭祀についても規定しており、祭政一致の原則のもとで国家が運営されていました。
現在行われている祭祀は古代の神祇令を引き継いで斎行・継承されているということをお話していきました。