お祭りを行ったり、掃除をしたり、神社で神様のお世話をしている人を神職や神主と言います。
神職という立場は一般の職業と同じように給料をもらい、ひとつの職業として確立していますが、実際に神職がどのような職務をこなしているか知っている人は少ないかもしれません。
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神社に奉仕している神職の一日の業務について
一口に神職と言っても世の中にはたくさんの形態で奉仕する神職がおり、形態によって日常業務はそれぞれです。
規模の大きい有名神社に奉仕する者、地域の氏神様としての信仰が主の小規模な神社で奉仕する者など様々いますが、社会の企業・店舗に大企業もあれば個人商店もあるのと同様に考えていただければよいと思います。
8:00 更衣して朝の日供祭の奉仕
9:00 境内の清掃、造営物の修繕等
10:00 社務所にて授与対応・祈祷の奉仕をしながら経理や業者とのやり取り等の事務作業
13:00 地域の会合へ参加、帰りにスーパーに寄り、お供えものとなる野菜・魚等を購入
15:00 社務所にて授与対応・祈祷の奉仕をしながら経理等の事務作業
16:00 夕方の日供祭の奉仕
17:00 境内の片づけ
以上が小規模な神社で奉仕する神職のとある一日です。このような神社では職員数が少ないので、祭典の奉仕、境内の清掃・修繕、社頭での対応、買い出し、経理等の事務作業など多岐にわたる業務をこなさなくてはなりません。ただし、神社のすぐ近くに神職の居住する家があることが多いため出社には時間がかからず、また宿泊を伴う勤務がないことが特徴です。
また、神社の収入だけでは生計を立てることができない神社の方が多いのが現状であり、平日はサラリーマンをしながら休日に神社の仕事を行うという神職も多くいます。
7:30 出社、潔斎して更衣
8:00 境内の清掃
9:00~16:00 社頭にて授与対応、ご祈祷の奉仕を行いながら合間で事務仕事
17:00~24:00 当直室に詰め、定期的に巡回を行う
5:00 起床、潔斎を済ませて本殿の清掃
6:00 日供祭の奉仕
7:00 朝食をとって日々の業務に移る
以上が規模の大きな神社に勤める神職のとある一日です。大きな神社では身を清める潔斎場などの設備がしっかりしていて、神前に上がる前にまず身を清めます。
当直という神社に宿泊し、見回りや神様にお食事を奉る日供祭に奉仕する勤務があります。どれだけ神社での奉仕歴が長いかったとしても自宅のベッド以外で寝れないことはストレスであるカと思いますが、それでも次の日も日常業務にあたらなければならないことが辛いところです。
今回はイメージがしやすいように神様に直接的に関わることの多い職員の一日を例に挙げましたが、大規模神社には総務部、秘書部、財務部など様々な部署があり、中には一日中スーツで過ごす神職もいます。
神社の多くはブラック企業で、神職の労働環境は良くないこともしばしば
今や神社は法人として分類されており、そこで奉仕する者は神職と呼ばれ、ひとつの職業として認識をされています。
しかし、どのような形態の神社であっても神様に仕えるということは企業や法人に適用される労働法の枠では収まらないことがたくさんあります。
例えば、祭りの前には参籠という数日前から神社に籠って身を清めることもありますし、祭典や御祈祷の奉仕中は長時間の正座をしなければなりません。正月期間は何日も続けて徹夜をしなければならない場合もあります。他にも、冬の寒い中でも川に入るなどして水を浴びて禊を行ったり、一般社会の価値観から見れば理不尽だと思われることばかりです。
既にお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、このページを書くにあたり注意している点がひとつあります。それは基本的に「仕事」や「働く」という言葉を用いないという点です。
神社でしていることはあくまで神様への奉仕であって、神様のお世話をすることは「働く」ことではありません。
奉仕と労働は別であると割り切ることが神職として生きていくうえで大切なことであると思います。
“【神主になるには】神職の階位と資格を取る方法 ~大学・養成所・検定講習会について~ ” — 神社のハナシ