こんにちは、伊勢の神宮での式年遷宮で用いられる御用材は古くは神路山と高倉山から切り出されており、神宮で用いる材木を切り出す山のことを御杣山といいます。
現在は木の不足により、神路山と高倉山は御杣山の席を愛知・岐阜・長野の山々に譲っていますが大正頃からヒノキの植樹が行われており、今後古儀に基づいて御用材を切り出せるように保護されています。
今回はこの神路山に登ってきましたので記録をここに残しておきます。
スポンサーリンク
季節は秋、日差しがまだ暖かく薄手のシャツで過ごせる頃です。私は山登りは完全に素人であり、これまでに登った山は三輪山・稲荷山・小谷城くらいで、どちらかというと登山には苦手意識があります。
今回は友人に連れられて登山に訪れたもましたが登山に関する知識はゼロ、靴はスニーカー、完全に山を甘く見ていました。
神路山というのは今回登った鼓ヶ岳などの山を合わせた総称でかなりの範囲がこれにあたるようです。登山というとこちらも伊勢において重要な立場にある朝熊山とは異なりほとんど手入れがされていおらず、舗装された登山道はありません。したがって、定まった登山道が用意されているわけではなく様々なルートがあるようですが、まずは私が登り始めた道を紹介しておきます。
大体このピンが刺さっているあたりが登山口になっており、神宮会館の駐車場入り口から内宮側に歩いて行って1本目の角を右に曲がって、その後に見えてきた民家を越えずに左に曲がった路地を道なりに進んでいくとたどり着きます。
ここが今回のスタート地点です。
写真で見てわかる通り整備されていない急な斜面も多く始めは困惑しました。登っている最中は何度も息切れで休憩しましたし汗もかきました。
今回の目的地は355メートルの地点で、山の途中にある五本松神社までは40分、神宮から見えている頂である鼓ヶ岳の頂までは1時間程度、下山までは2時間でした。
体に徐々に疲労が蓄積され集中力が切れかけてきた頃、何機もの鳥居が現れました。五本松神社という神社のようです。
神社には大祭の日にちと月次祭の日にちが書かれており、ここまで登ってくる神職さんはすごく大変だなと感じました。
ここから、鼓ヶ岳の山頂までは30分程度歩きます。途中、そこら中に落ちている動物のフンや崩れやすい斜面、滑りやすい苔などの危機を乗り越えながら何とかたどり着くことができました。
頂上では美しい景色が待っているということもなく木々の隙間からうっすらと景色が見えるだけではありますが、達成感は計り知れません、登山ハマってしまいそうです。
雪の季節までにもう一回だけ、もう一回だけなら伊勢に行って山登り経験してもいいかなと思いました。
この先も山道が続いて次の山頂まで行くことができるようですが今回はここで断念し下山することにしました。
御杣山としての役割を果たし、また山自体が天の瓊矛であると言われていた神路山に感謝しながら今回の神路山登山を終えました。