8月23日に河野太郎氏のLIVE配信が行われ、皇位継承問題について言及しました。
河野太郎氏の見解は根本的に間違った部分があると感じましたので、河野太郎氏の主張とそれに対する反論意見をここに残しておきます。
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河野太郎氏の主張
- 現在結婚すると女性は皇室から抜けることになっているが、女性を皇室に残して男がいなくなった時に愛子内親王の子から順番に天皇にしていくべき
- GHQが皇族を民間に戻したが、旧宮家は今の天皇家から1400年代に分かれた。600年前に分かれた人たちはY染色体という面ではつながっているが、その人を天皇として戻すのはよろしくない。
- さらに言えばY染色体は確率的に言えば突然変異が起きやすいため、遺伝子検査をしてみてつながってなかった場合に問題が生じる。
- 国民は現在の天皇家を支持し象徴として受け入れているから、600年前に分かれた人を支持するのではなく現在の皇室を支持し、愛子内親王を素直に次期天皇として受け入れるべき
概説については以下の記事をご覧ください。
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ツッコ見どころはいくつかありますが1つずつ回答していきます。
・まずは全体について
河野太郎氏は かつては側室制度があり男系維持が比較的容易だったということを念頭に置き、今後 男系継承が不可能になった場合は女系天皇を容認せざるを得ないと主張しました。
しかし、天皇が天皇たる所以は男系継承が続いてきたことにあります。ここで女系天皇を認めてしまえば今までの天皇とは性質の異なる天皇を認めることになってしまい、天皇が天皇たる所以自体が失われ、天皇の存在が意味のないものになると考えます。
たしかに一夫一妻制が当然である今、側室制度を容認することはハードルが高く男系継承が困難になっていることは事実ですので、他の打開策が必要です。
・2について
旧宮家は西暦1400年代に現在の天皇家と分かれたと主張されています。たしかに1947年にGHQにより皇籍離脱させられた11宮家すべてが北朝第3代崇光天皇の血統である伏見宮邦家親王から派生しています。しかし、何度も述べているように天皇が天皇たる所以は男系継承が続いてきたこと、言い換えれば父親を辿ると初代神武天皇にたどり着くということです。
古事記や日本書紀を読んだことがある方はご存じかと思いますが、初代神武天皇は天照大御神の孫にあたり、天上の世界(高天の原)から地上に降った瓊瓊杵尊にまでつながります。
神話の時代の話が事実であるかどうかは置いておいて、それだけの権威を持った家系が天皇家であり、それが少なく見積もっても1500年以上続いてきたということは世界中どの国を見ても類を見ないことであり、この日本の歴史・伝統の中心にある天皇という血筋を絶やすというのは間違っていると考えます。
天皇というのは初代神武天皇、さらに遡れば神代から続いてきた存在であるにもかかわらず、現在直面している皇位継承問題に際して民間の男性との間に儲けた子を皇位に就けることは初代が神武天皇ではなく将来のお婿さんになるということと等しいと考えます。
600年前にわかれた存在なのだから天皇家との繋がりは弱くなっているだろうという主張であれば、これまで天皇家の人間が宮家に嫁ぐ もしくは宮家の人間が天皇家に嫁ぐということが頻繁に行われており、血統の弱まりについては対応されています。
またほかの観点からの説明をすると、もし天皇というのはなにか説明することになった時、「象徴」という言葉を使うのもいいですが、「歴史」や「伝統」という言葉を使って126代まで存在していることを説明するという人が多いのではないでしょうか?日本の歴史や伝統、文化の中心にいたのが天皇であり、126代まで続いてきた事実があるにも関わらず、女系天皇という歴代の天皇とは性質の異なる天皇を認めることは不自然ではないかと考えます。
・3について
Y系遺伝子が変異している可能性についても主張されていました。
私も2についての反論の際に、男系の血統が...と説明しましたが本質的に大切なのは血(遺伝子)ではありません。遺伝子なんていう存在が発見されたのが最近のことですし、ここまで何百年・何千年と天皇という存在を尊敬してきた過去の日本人に遺伝子の問題など考慮にないでしょう。遺伝子よりも大切なのは父親を辿れば初代まで遡ることができるということです。Y系遺伝子がどうとかいうのは男系継承の説明のために持ち出したものにすぎず大きな意味は持ちません。
・4について
天皇というのは太古からの日本国民の総意に基づいて君臨してきたと考えています。武士が台頭してからも多くの者は自らが天皇になり替わろうとしたり皇族を根絶やしにしようとした者はいませんし、それどころか時の権力者の多くはわざわざ天皇から摂関や征夷大将軍などのお墨付きをもらって政治を行っていたのです。河野太郎氏は「国民の意思」と言いますが、それは日本という国をこれまで守ってきた太古からの国民の意思ではないのです。
また、天皇陛下の現在の立場は過去の皇室あってのものです。私たちが天皇陛下に尊敬の念を抱くのは天皇の伝統も含めた感情であるはずです。