日本は現存する世界最古の国であると言われますが、その理由はこれまで126代にわたって続いてきた天皇という存在にあります。
神武天皇や欠史八代(第2代~第9代までの天皇)らの実在性についての議論はありますが、存在が確実であると言われている第26代継体天皇天皇から考えても、少なく見積もっても1500年の歴史、他の国と比べても圧倒的に長い歴史を持っているのです。
しかし、日本が世界最古の国家たる所以の天皇に今 問題が生じており、この問題は今後の日本の存続に関わる重大なものです。
天皇について語ると危ない集団だとみられがちですが、私はその考え自体が戦後の歴史教育によって植え付けられた誤ったものだと考えています。
ここまで読んだ皆さん、どうか3分だけお付き合いください。
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目次
皇位継承問題は早急に解決策を導き出さなくてはならない
現在、日本には4つの宮家が存在しており、令和2年現在13人が所属しています。
13人と聞くと私はたいへん少ないように感じるのですが皆さんはどうでしょうか。
日本国憲法第2条ではこのように記しています。
皇位は,世襲のものであつて,国会の議決した皇室典範の定めるところにより,これを継承する。
このように憲法が天皇という地位は世襲のものであるということを記しているわけです。とすると、皇位に就ける資格のある者が男女を区別せず考えた時に10人とちょっとしかいないというのはたいへん心もとない状況にあると言えます。
上記の問題の解決策として よく議題に挙がるのが「女系天皇」です。マスコミはこぞって女系天皇の必要性を説きますが、これには大きな落とし穴があると私は考えます。
まずは現在の皇位に就くことができる資格について軽く説明しておきます。
現在生じている皇位継承問題 ~皇位継承の資格を持つ者~
皇位継承の資格を持つ者は男系の男子のみとされています。
男系とは父親が天皇家の人物、すなわち父親を辿ると初代天皇にたどりつくことができる人物です。
現在は秋篠宮の文仁親王と悠仁親王、常陸宮の正仁親王の三人が皇位継承の資格を持つ者で、皇位継承順位のまま紹介しました。
このうち年少者は悠仁親王しかおらず、文仁親王も正仁親王も50歳を超えています。つまり現在60歳の今上天皇の現実的な後継ぎは悠仁親王しかいないというのが実情です。
マスコミに惑わされるな 女系天皇の落とし穴
マスコミでは皇位継承問題について詳しく取り上げておらず、現実的な皇位継承者が1人しかいないという現状を知っている人は少ないのではないでしょうか。
説明をしないどころか「女系天皇」の必要性を説いてばかりいます。(後で説明する女性天皇とは別のもの)
混同しがち!女系天皇と女性天皇の違い
女性天皇と女系天皇は明確に異なる概念です。
- 女系天皇とは皇室の女性と民間の男性との間に生まれた子を天皇にした際のことを指します。
- 女性天皇は文字通り女性の天皇すなわち女帝ということです。
先ほど説明したように、これまで天皇はすべて男系が受け継いできており、天皇が天皇たる所以は初代から男系継承が続いているというところにあるのです。言い換えればこれまでは皇室に所属する男性と女性(この場合皇族か民間出身かを問わない)の間に生まれた子が皇位に就いてきたということであり、民間の男性との間に生まれた子を皇位に就けたことは未だかつて一度もありません。
したがって、女系天皇を容認するということは これまでの天皇とは性質の異なる天皇を容認するといいうことであり、天皇が天皇たる所以を否定し 内から現存する最古の国 日本を崩壊させようとする方策に他ならないと危惧しています。
皇位継承問題の解決策はこれだ!!
ひとまず女性天皇を容認する(女系天皇ではない)
この解決策を説明する前提知識として、女性天皇と女系天皇は違うということだけ理解しておいてください。(簡単に説明すれば、女性天皇とは男系の娘)
今上天皇には愛子内親王という娘がいますが、現行法では皇位を継承する資格はありません。(下に根拠条文を貼っておきます)
皇室典範
第1条 皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。
これが原因で愛子内親王は即位することができません。ということは、この条文の「男子」という文言を削除すればよいということです。
歴史的にみても、これまで8方10代の女性天皇が存在していました。
ということは、愛子内親王が即位して女性天皇になることは不自然なことではないはずです。
しかし、愛子内親王と民間の男性との間にできた子は「女系」にあたるので皇位に就くことはできません。歴史的に見ても女性天皇は次の男性天皇が成長するまでの単なる中継ぎにすぎず、女性天皇を容認したとしても時間稼ぎにしかなりませんので、抜本的な解決策とは言えませんね。
旧皇族の方々に復帰していただく
戦後、GHQにより皇籍離脱が行われ、皇室と秩父宮・高松宮・三笠宮を除く11宮家51方が皇籍を離脱しました。たしかに10以上の宮家があるのは多すぎると思いますが、天皇が男系に限られることや 世の中の少子化という事情を考慮しても現在の状況はたいへん厳しいものです。
そこで、私は旧皇族の方々に復帰していただくことが解決につながると考えます。
これまでも、第44代元明天皇(天武天皇の孫)から第48代称徳天皇までは天武天皇系ですが第49代光仁天皇(天智天皇の孫)以降は天武天皇の兄である天智天皇系になっているように直系の継承ができなくなった時、遡って別の血統に移動するということは何度も起こってきました。
つまり、皇位継承は直系主義ではなく傍系主義に基づいており皇統に属してさえいれば何世代遡っても正統であるということで、実際に宮内府次長は皇籍離脱の際「宮様方が、いつの日かまた復帰なさることがあるやもしれません。身をお慎みください」と語っているのです。
しかし、この方法にも問題があります。それは70年以上前に皇籍を離脱した者を国民が天皇として認めるかという問題です。一度、民間に入った者であっても天皇の血を引くということは変えようのない事実であるため、今後 旧皇族の方々に復帰していただくという状況になったとしても正当です。
愛子さまに旧皇族の方と婚姻していただく
天皇の歴史についてよく知らない方々の民意では愛子内親王を天皇にという声が多いです。これは現在の天皇家が象徴としての役割を果たしており、国民から尊敬されていることの表れであり嬉しいことではあります。しかし、愛子内親王の子は女系天皇にあたり皇位に就くことはできないのです。
これは解説策その2との折衷案に近いですが、男系継承が続いている旧皇族の方と愛子内親王の子を皇位に就けるという考え方です。
この解決策のメリットは民意にも十分配慮しつつ男系継承を続けていることです。一方、デメリットは愛子内親王の配偶者を半強制的に決めることになるのではないかという問題です。
旧皇族の子を養子にする
第25代武烈天皇には子がおらず、皇統断絶の危機に瀕していました。武烈天皇は第15代応神天皇の子である仁徳天皇の流れを継ぐ天皇であり、仁徳天皇の血統は途切れてしまったということです。
しかし皇統断絶の危機に直面した際、新たな天皇として応神天皇の子であり、仁徳天皇の弟である稚野毛二派皇子の血統に進むことで危機を回避したのです。
このような方法を採れば、現在の皇室を尊敬しているという方にも、これまでの歴史を踏まえたうえで天皇という存在を尊敬している方も納得できると思います。
側室制度を復活させる
かつて天皇には正室の他に側室がおり、多くの子を儲けていたため ここまで男系継承を維持できたということも言えるでしょう。しかし、一夫一妻制が当然である現在 側室を認めるということは非常にハードルが高いと考えられます。
この問題は早急に対処しなければいけない問題です。
この記事を読んだ皆さん、ぜひ日本と皇室の未来を考えるきっかけにしてください。