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厄年の起源と本来の意味
厄年の歴史は平安時代に貴族の中で厄払いが行われていたのに遡ります。厄年についてはいくつかの文献で記されていますが、文献ごとに厄年に当たる微妙に年齢は異っています。
厄年の起源として
①神に奉仕する役につく年
②生きていくうちに蓄積された穢れを祓う年
といった説明がされます。
①について
「人生の転換期」、いわば社会的な地位を確立する時期です。
このころには重要な神事を任されることになり「神役」を与えられるということから転じて慎むべき年とされ「役」が厄に転じたと言われています。
②について
こちらが一般的な解釈とされています。
人は生きている間に無意識に穢れを身につけており、蓄積された穢れを取り払い新しい自分に生まれ変わる年と言われてます。
現代の厄年の意味は本来の意味と変わっている
厄年の意味について「生きていくうちに蓄積された穢れを祓う年」と説明しましたが、現代人の厄年の捉え方はこれとは少し異なるようです。
『神道はどこへいくか』ぺりかん社出版によると
「それまでの年月でたまった悪いものにより災いが起こりやすい、そしてそれを取り去るべき年」から
「その年に限って悪いことが外から寄ってくる年」という認識に変化しているということがわかります。
この認識の変化には2つ注目するべきところがあって、
厄年で祓う穢れは1年という短期的なものかそれまでの人生という長期的なものかということ
悪いことは蓄積されてものか外からやってくるものかということです。
このような変化が起こった理由として、年中行事の形骸化により魂のリセットという感覚が失われ、またインターネットや雑誌等のメディアの発展により本来の意味は忘れられ厄払いという儀礼だけがイベントとして残ったということが考えられます。
厄年にあたる年齢と数え年の数え方
男女別の前厄,本厄,後厄を表にしてみるよ[/st-kaiwa1]
男性
前厄 | 本厄 | 後厄 |
---|---|---|
24 | 25 | 26 |
41 | 42 | 43 |
60 | 61 | 62 |
女性
前厄 | 本厄 | 後厄 |
---|---|---|
18 | 19 | 20 |
32 | 33 | 34 |
36 | 37 | 38 |
60 | 61 | 62 |
※赤字は「大厄」 後ほど説明します。
厄年の年齢は数え年で数えます。
数え年とは生まれた時の年齢を1歳として、正月が来たら1つ年を取ることになります。
わかりやすく数え方を説明すると
その年の誕生日を迎えるまでは今の自分の年齢に+2
その年の誕生日を迎えてからは今の自分の年に+1 します。
ちなみに、12月に生まれた子は生後1ヶ月にして2歳になってしまいます。
厄年が決められている理由・大厄について
厄年というのは先人の経験的に、この年齢で環境や心身に変化が訪れ、物事がうまくいかなくなる可能性があるということを表しているのです。
そこで本厄に当たる人は、「今年は慎重に過ごす年にしよう」という気構えでいましょうね
前厄に当たる人は、厄災の前兆に気をつけましょうね
後厄に当たる人は、厄災の余韻に気をつけましょうね
ということです。
上に貼っておいた表で赤色で書かれた年齢は大厄です。
男性42歳、女性33歳というと身体的にも仕事的にも、最も大きな人生の転換期を迎える年なのではないでしょうか。
この年にあたる人はさらに注意深く生活しましょうということです。
なぜ大厄の厄払いに訪れる女性は多いのか
神社で奉仕していると厄年の厄払いをお願いされることはたいへん多いです。
感覚としては女性が7割、男性が3割程度。女性の中でも33歳の方が全体の半分近くを占めています。
これは先ほど紹介した『神道はどこへいくか』でも30代の女性が最も厄払いへの関心が高いというデータとも一致しています。
なぜ33歳の女性が最も厄払いを行うのかという理由については考察してみると、
まず女性の30歳前半は体内環境の変化やお肌の状態の変化など健康面において大きな節目となっているという理由が挙げられます。
次に女性の社会進出や寿命が延びたことによる結婚・出産年齢が高くなったことが挙げられると考えます。
内閣府の発表しているデータによれば平均の初婚年齢は明治41年で22.9歳、戦後最初のデータである昭和22年も同じく22.9歳とされていますが、平成27年のデータを見ると29.4歳となっており、第一子出産はが30.7歳となっています。厄払いは平成に入ってから知名度がグッと上がったのですが、これには結婚・出産年齢の上昇というのが大きく関係していそうです。
以上の理由から33歳の女性が最も自身の立場に不安を感じていることから実施率が高いということがわかりました。